買って読んだ本「86 エイティシックス」

久しぶりにガッツリと読んだ本の感想など。

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『86 エイティシックス』。写真は先日読了した第7巻。4月から放送されたアニメ版が見事に刺さったので、原作を一気に読み込みました。

 現在、AmazonKindle Unlimitedなら読み放題で第1巻が読めますので、加入されている方はぜひ。著者は安里アサト氏。イラストレーターはしらび氏で、イラストレーターの方はFGOをプレイされているなら巴御前(アーチャーインフェルノ)のキャラクターデザイナーとしてご存知の方もいらっしゃるかと思います。あとは「りゅうおうのおしごと!」のイラストかな。本自体は本屋でチラチラと見ていて興味はあったんです。しかし、他の本を読んでいた都合、中々手が出なかったのですがアニメを見たら面白くてどうしても続きが知りたくなり、原作の方を電子書籍で購入しました。

大まかな内容はまずはアニメ版のPVで。


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まあ、アニメをご覧になった方は分かっていると思いますが、ざっくりとしたあらずじを。

サンマグノリア共和国は「帝国」と呼ばれる国が送り込んだ無人兵器「レギオン」の猛攻に晒されていましたが、共和国が保有する自律無人兵器「ジャガーノート」による防戦によって、人的損害皆無のまま戦線を維持しています。日々市民に伝えられる連戦連勝の報道、しかしその実態を知る者は共和国の中でも政府と軍の内部にしかいません。その事実を知る共和国軍人の多くは精神的に追い詰めれ病んでいくか、戦争をゲームとして捉えて狂気に浸るかのどちらかになっていました。そう、自律無人兵器とは共和国が人種政策によって自分達「アルバ」以外の人種(共和国出身でないアルバも含めて)を「人間ではない」と差別して共和国の外にある第八六区、通称「エイティシックス」に隔離・収容していた人々あり、共和国は彼ら彼女らを

人ではないから「無人」だ

と理屈付けて絶死の戦場へ送り込んだ兵士達でした。もちろん、アルバの人達にも現状を良しとしない人々はいましたが、彼らは少数派であり大多数のアルバ達は「人間でないものを戦場に送り出して、それが死んだとしても自分達には関係ない」という考え、戦場そのものにも無関心を貫いています。そんな中、現状に心を痛める共和国軍士官グラディレーナ・ミリーぜ少佐が激戦区である東部戦線第一戦区第一防衛戦隊「スピアヘッド」の指揮官を任命され、その戦隊長である「アンダーテイカー」ことシンエイ・ノウゼンと出会う事で物語は動き始めるのです。

まあ、第1巻の導入をざっくりと説明するとこんな感じ。知っている人も多いでしょうけど。

人種隔離政策や人種排斥政策といった物は人類史において「悪」以外の何者でもありませんが、それがまかり通っていた時代があり、今も少なくない地域においてそれが行われているのも事実。この作品、小説もアニメも読み続ける・観続けると中々に精神的に堪える部分はありますが、それでも読まずにいられない程にシン達の戦いは鮮烈であり、過酷であり、そしてその合間に見せる少年としての面や苦悩も物語に深みを与える内容になっています。

アニメの方は小説第1巻のクライマックスを過ぎた所で第1クールが終了となり、10月からの第2クールでその続きが描かれる事になる様ですが、第2クールの重要人物であるフレデリカも第11話でワンカットだけ登場していましたね。本音としては第1巻のラストエピソードまで描いて第2クールにつなげて欲しかったんですが・・・。さて、アニメではどこまで描くのかな。世界観の広がりや過酷な戦いの中でも「人間として扱ってくれる」大人達が登場する『ギアーテ連邦編』は当然として、個人的には終わりのない戦争において希望として誕生する「独立機動打撃群」誕生を描く第4巻、過酷な戦場を生き抜いたエイティシックス達がその存在意義を自らに問う『連合王国編』までやって欲しい気はありますが、連合王国の物語は第2期まで我慢かな?話の流れ的には原作第3巻まで、シンとレーナの再会までなのかなぁ。それとも強敵「高機動型」や物語の重要な鍵となる「無慈悲な女王」が登場する第4巻までやるのか?ちょっと楽しみですね。プラモデルとしてはジャガーノートに代わってシン達の愛機となるレギンレイヴのキット化が決まっていますので、ある程度原作の内容を進めると思われます。

小説を読んだ感想としては、ライトノベルとしては結構「重い」内容でしょう。基本的にはボーイ・ミーツ・ガール的な側面がありますが、それ以上に戦場の描写は過酷であり読み進めるとその細かい描写に圧倒されました。また、キャラクターの内面も深く掘り下げており、エイティシックスとして迫害をされ心に深い傷を負った少年少女達の内面を描く一方で、祖国の犯した国家的犯罪に心ならずも加担していた罪悪感とシンへの想いの間で苦悩するレーナ、自分の犯した過去の行為に後悔し罪を償おうとするアネット、自分達が犯した過ちを認めない祖国の同胞達に代わってエイティシックス達と同じ戦場に立つ事を決意して従軍するダスティンなど「迫害した側」にいた人々の内面も丁寧に描写されています。果たしてダスティンはダイヤの代わりにアンジュを支える存在になる事ができるのか?まだまだ予断を許しません。現状、うっかりキャラですからねぇ。ダスティン、応援してるぞ!!

原作では第4巻にてアネットの贖罪の念と初恋の終わり、第5巻から第6巻にかけてシンの苦悩と芽生えた想い、そして第7巻ではレーナの苦悩が描かれていました。結構シンが苦悩した時間(自分の気持ちが分からず戸惑った部分も含めて)が長かった分、その後がスッキリとしつつもソワソワしたものであったから、第7巻でレーナが拗れてしまった時には「どうなるんだろう?」って心配になりましたが、その辺りは第8巻以降で描かれている様です。すでに電子書籍版を購入はしてあるので、現在第8巻を読んでいる最中。

え?第2巻と第3巻は??それ、書いたらアニメしか見てない人から「ネタバレだ!」って怒られそうなので。もうすでにその先以降でネタバレ書いてますけど(^◇^;)

ひさしぶりに読み応えのある物語と出会えました。

さて、引き続き第8巻以降と併せて購入したコチラ

も読まなきゃ。