HGUC ディジェ

昨日の予告通りガンプラレビューです。実は1昨年前に完成させていたHGUCのディジェを。

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 ディジェの初出は『機動戦士Zガンダム』の第35話「キリマンジャロの嵐」。一年戦争の英雄、アムロ・レイの機体として登場しました。設定としては、僕の中ではZでも屈指の名エピソードだと思っている第16話「白い闇を抜けて」にてアムロが搭乗したリック・ディアス(元アポリー機)をベースにアナハイムエレクトロニクスのキャリフォルニア支部にて地上用に改修されたMSでした。アムロが乗っているのに外観がジオン系なのは改修に携わったスタッフが旧ジオン系の技術者だった事もありますが、連邦軍の反ティターンズ勢力と旧ジオン残党の一部勢力との間で生まれた組織設立初期のカラバは当然両者の関係がギクシャクしており、その問題を解決するために「連邦の伝説的ニュータイプエースがジオンの機体に乗ってティターンズと戦う」という組織内の人心融合を図ったプロパガンダ的意味合いもあります。とは言っても「ニュータイプの象徴としてのガンダム」と言う面もカラバとしては捨てがたく、ディジェはガンダムタイプのフェイスにする事も検討されていました。

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頭部に残るツインアイ型のソケットがその名残。結局アムロ自身がガンダムから距離を置きたかった時期だった事と、エンジニアパイロットとしての彼にとってディジェは技術的にも興味があった事からジオン系の外観のままとされています。その辺りはコチラ 

 に描かれているのでオススメ。まあ、僕はソケット部分をガンダムマーカーのガンダムアイグリーンで塗装して三つ目っぽくしてありますけど・・・。

コホン、ではキットの解説。まずは正面から。

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リック・ディアスのムーバブルフレームをそのまま活かした機体なので、全体的には太めのプロポーションですが、リック・ディアスがドム系のフォルムでまとめられているのに対して、ディジェはゲルググを強く意識した外観をしていました。元デザインではもう少し平べったいイメージですが、キットの方は先行して発売されたRE:1/100版をベースにしつつHGUCのフォーマットに合わせてアレンジされています。地上での運用を考慮して機体自体は宇宙用装備の撤去や冷却系の改良が行われていました。全体に滑らかなシルエットになったのは、ドダイ改などのSFS運用時の空気抵抗低減を狙ったとも、出資者の一つであるルオ商会を意識した中華的な外観を狙ったとも言われています。

では背面。

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右肩には固定装備のシールド、左肩にはウエポンラックを装備。背部にある羽の様な物は放熱板で自由落下戦闘時にはAMBACの作動肢の一つとして機体制御にも貢献していました。推進系は熱核ロケットエンジンから熱核ジェットエンジンに換装されています。推進系の見直しや放熱版の設置に伴い、リック・ディアスで装備されていた背面のビームピストルとラウンドバインダーは撤去されました。リアスカートのマウントラッチにはビームサーベルを装備。これもゲルググを意識した双方向からビーム刃を発生させるビームナギナタとなっています。

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武装はMSN-00100「百式」に準じたビームライフルとクレイバズーカが装備可能。近年ではZガンダムが装備したメガビームランチャーも装備可能とされていますが、ディジェのジェネレーター出力は百式とほぼ同等ですのでドライブは可能でしょう。HGUCのキットは肩が引き出し式になっている上、接続部がボールジョイントなのでライフルを構えるポーズをすんなりと決まりました。唯一、右肩上部の装甲はポロリしやすいので接続部のボールジョイントを瞬着などでコーティングして少し硬くすることをお勧めします。ちょっと動かすのが大変そうなフロントスカートアーマーは二重の可動構造になっているので、両足を前に出すようなポーズもバッチリ決まりました。ただし、ここもポロリしやすいので要注意。

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ビームサーベル薙刀状の刀身が2つセットされていますが、個人的好みで片方だけビーム刃を発生させた状態。劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』だと、シャアのゲルググアムロガンダムとテキサスコロニーで戦闘する際、片方だけビームを出した状態のビームサーベルで戦闘しているシーンがあり、そこが好きなので。

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背面のウエポンラックにはクレイバズーカを懸下可能。実際にこういう使い方は劇中では描かれていませんが、プレイバリューが高い内容となっています。

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当時はクワトロ・バジーナと名乗っていたシャア・アズナブルの乗機である百式とのツーショット。本来のキャラ特性なら「乗ってる機体、逆じゃね?」って思うんですが、あえてアムロがこういう機体に乗っていた所に『機動戦士Zガンダム』の面白さがありますね。物語としてもディジェが初登場した「キリマンジャロの嵐」から続く「永遠のフォウ」そして「ダカールの日」は宇宙世紀0087年における重要な転換点となるので、宇宙世紀ガンダム好きでTV版『Zガンダム』未見の方にはお勧めします。結構きつい内容ですけど・・・。このキリマンジャロ戦の直前あたりでZガンダムにバイオセンサーが実装されたのではないか?と推測され、この時期からカミーユの情緒が不安定(もともと不安定なのに更に不安定化)になったり言動がおかしくなっており、最終話への伏線となっている点も見逃せません。小説版『機動戦士Zガンダム』 

 においても、ダカールでの戦闘時に初めてバイオセンサーについての記述がありました。

ダカールでの戦闘後、アムロはカラバにて量産計画がスタートしていたZプラス開発の為、ディジェからZガンダム3号機に乗り換えテストデータを収集することになりました(この辺りの件は過去のブログにてウザイくらい書いたので省きます)。

wrx-sti.hatenablog.com

wrx-sti.hatenablog.com

ディジェは一定数が製造され、カラバの中でもジオン出身のパイロットに好まれて運用された様です。グリプス戦役、それに続く第1次ネオジオン紛争後、ディジェの多くはモスボール保管されていた様ですが、一機は横流しされてシャアの率いる新生ネオジオンサイコフレーム試験機として運用されていたのはコチラ

 にて描かれていました。ただ、元のディジェは冷却系が宇宙空間に対応していないので、その辺りは改造を行ったのか、それとも宇宙用に再設計されたディジェだったのかは不明な所。宇宙用のディジェについてはコチラ

にてアムロロンド・ベル隊創設初期に「リック・ディジェ」と呼ばれるディジェの宇宙用改良型に搭乗しています。この後、ジェガンのプロトタイプであるジェダに乗り換えるのかな? 『ムーンガンダム』はあんまり真面目に読んでないんだよなぁ。ちなみに『ジョニー・ライデンの帰還』で登場したディジェはサイコフレームを試験的に搭載し、総帥であるシャア・アズナブルが自ら搭乗しますが、戦闘中にサイコフレームを発動させたらディジェの方がサイコフレームによる反応速度に追いつけずにフレームが自壊していました。シャアがエンジニアのアルレットに怒られていましたね。このあたりはコチラ


機動戦士ガンダム Twilight AXIS PV02

もご覧になると面白いと思います。

さて、ちょっとディジェから逸れたので本筋に戻って・・・。

戦後モスボール保管されていたディジェは、その後ルオ商会が極秘裏に数機を買取り私兵部隊にて運用しラプラス事変において重要参考人だったマーサ・ビスト・カーバインを奪取する作戦に投入されるのが『機動戦士ガンダムNT』冒頭のシーンですね。


Mobile Suit Gundam NT (Narrative) Initial 23-Minute Streaming (EN.HK.TW.KR.FR,TH Sub)

キットの方の解説に戻ります。

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キットの方は可動、色分けとも完璧な部類で細かなセンサーなどの部分やスミ入れはガンダムマーカーで塗装しましたが、それ以外はほとんど手を加えていません。フロントアーマーのみ左右独立可動できるようにしてありますが、それ以外は本当に手間がかからない優秀なキット。特に秀逸なのは頭部バルカン砲につながる後頭部の給弾チューブや脚部のエネルギーパイプが軟質樹脂で再現されている部分。今までだとアレンジで誤魔化されていた部分ですが、この辺りをきっちり再現しているのは素晴らしいです。デザイン的に「動きそうにない」リック・ディアス系のMSを「動く」様に練られた関節構造も秀逸。この辺りは後にプレバンにて発売されたHGUCリック・ディアスのバージョンアップ版に反映されていました。バージョンアップ版のリック・ディアスは現在、プレミアムバンダイにて通常カラーとクワトロカラーの2種類が受付中なので、リック・ディアス好きの方はぜひ。バージョンアップ版のリック・ディアスも早めにレビュー書きたいな。

このキット、冒頭書いた通り一昨年前には完成しています。ただ、あの頃の僕は精神的に完全に打ちのめされていたので、完成後もレビューを書く気力もありませんでした。キットを組んだのも精神的なリハビリを兼ねた物だったので、完成させた後も書くタイミングを逃してズルズルとそのままに・・・。でも、ようやく書こうと思い今回書いています。

ある意味で気持ちに一区切りできました。

さて、次のガンプラ、まだ手をつけていないので早速始めましょう!