久しぶりのガンプラレビュー、昨年の秋に完成させていた「ガンダムジェミナス01」です。
「これって何?」って質問が出そうですので簡単に紹介を。初出は『新機動戦記ガンダムW』の公式外伝として展開された『新機動戦記ガンダムW G-UNIT』で、コミックボンボン誌にて1997年〜1998年まで連載されたのが最初になります。アフターコロニーの時代を駆け抜けたガンダム5機と同じ時代に密かに開発され、歴史の闇に消えていったもう一つのガンダムとして描かれました。HGACのキットはプレミアムバンダイにて限定発売、現在もオンラインショップにて購入可能。連載当時はメディアミックスとしてバンダイからHGシリーズでキットが発売されており、そちらは一般販売が現在も行われています。
これはこれで当時としてはかなりの出来でした。
さて、このガンダムジェミナスはコロニーの反政府勢力が開発したガンダム5機と異なり、物語でOZがコロニーにも影響力を与え始めた頃(ちょうどレディ・アンが各コロニーを回って外交による融和策を打ち出していた時期)に当時の主力機リーオーの後継機として売り込む計画で辺境の資源衛星コロニーMO-Vが独自に開発したガンダムになります。装甲材質は他のガンダムと同様にガンダニュウム製で、強靭な耐久力を持ちますがジェミナス最大の特徴は「ユニット換装によって極端なまでに能力特化した他のガンダム同等の性能を発揮できる」点。このユニット換装というアイデアはプラモデルのバリエーション展開を考えたアイデアでした。ただジェミナスのデザインが『ガンダムW』の世界観としてマッチしたデザインだったか?は今でも議論の余地があると思います。
さて、そんなジェミナスのキットについて。まずは正面から。
旧HGのキットも優秀なプロポーションでしたが、HGAC版は『W』の世界観に合わせてヒロイックなプロポーションに修正されています。モールドもRGのウイングガンダムと並べる事も想定してかなり細かくなっており、結構スミ入れが大変でした。普通、HGだともう少しあっさり目なんですけどね。元々デザイン画ではかなり細かくモールドされており、このあたりは同じデザイナーさんが描いた『機動戦士ガンダムSEED』の公式外伝である『アストレイ』のガンダムアストレイと共通する部分があります。
背面。デザイン的には宇宙世紀世界のガンダムの「記号」を極力拾ってアフターコロニー世界のガンダムに反映させたようなデザイン。これが逆にアフターコロニー世界のガンダムには無い特徴となってジェミナスのキャラを立たせる一方で「Wの世界観に出てくるガンダムじゃない」と言う評価にもなって、当時も今も賛否が分かれるデザインとなりました。
フェイスはかなりのイケメン。このあたりも『ファースト』と『W』の両方の「ガンダムとしての記号」を融合させようとした試みが見られます。ゆえにキャラは立ちましたが、世界観とのマッチングが上手くいったか?というと今も議論が分かれるでしょう。
アフターコロニー世界での標準的なMS「リーオー」との比較。「W」の世界ではガンダムのデザインがすっ飛んでいる(メインのガンダムは大河原邦夫氏のデザインで、敵側のOZやホワイトファングのMSデザインはカトキハジメ氏が主に担当)ので、これはこれで違和感は無いっちゃあ無いんですが、現在ではガンダムの方もいわゆる「カトキ仕様」がメインになりつつある中ではジェミナスの異端性が目につきますね。
ちなみにリーオーはレビューこそ上げていませんが組んでおりました。
大変組みやすく、初心者でも熟練したモデラーさんでも作りがいのある名キットだと僕は思っています。キットのバリエーションとしてはプレバン限定で現在は販売されていませんが宇宙用リーオーやフル装備仕様、一般販売として構造を応用した「カトル様親衛隊」ことマグアナック隊仕様(マグアナック隊の中でもメインで活躍したメンバーの機体はプレバン限定で販売、さらには全36機を再現するキットもプレバンにて販売されていました)
に加えて『ガンダムビルドダイバーズ』に登場したNP仕様のリーオーも発売中。
コホン、ちょっとリーオーの宣伝になっていましたね(^^;;
それくらい出来が良いので、機会を見てレビュー上げます。
さて、ジェミナスに戻って武装の紹介。基本形態でのジェミナスの武装は極めてシンプルな構成でビームライフルとシールドの構成。
ビームライフルは「アクセラレートライフル」と原作では呼ばれており、出力的にウイングガンダムのバスタービームライフルほどではありませんが、既存機に比べるならかなりの高出力ビームを発射する事が可能で、いわゆる「貯め打ち」も可能でした。 シールドもMS本体と同じガンダニュウム製で電磁場フィールド発生器を内蔵しているのでビーム兵器にも対応可能です。
近接白兵戦用としてはバックパックに2基のビームソードを装備。
物語では中盤に主人公が新しいガンダムに乗り換えるので、ジェミナスはそれまでライバルとして登場し、物語中盤以降に味方となるキャラクターが搭乗して最後まで活躍しました。
「ジェミナス01」という事は当然「02」と呼ばれる2号機も存在しており、そちらはブルーを主体としたカラーリングが施され、一旦は敵側であるOZに奪取されますが紆余曲折の末に味方側の機体として活躍することになります。その2号機も現在プレバンにて予約受付中。
ジェミナスの拡張ユニットとしては「宇宙用ユニット」と「アサルトブースターユニット」がプレバンにて発売され、現在2号機用の「陸戦重装ユニット」が予約受付中。今後、全ユニットが発売されるのか、MGで展開しているF90用装備も含めて注目ですね。
さて、キットの方は可動とユニット換装ギミックにこだわった分、若干難易度は上がっていますが、それでも組み立て自体は難しいという程ではなく、割とサクッと完成させられました。まあサイズ的に小さい上に細かいモールドが多いのでスミいれとかはチョット大変。
膝肘は二重関節、股関節はスイング軸も含めた三重関節、腰にも稼働軸があるので色々なポーズがすんなり決まります。アクションベースがあればもっと楽しめるでしょう。
両手で構えるポーズも様になってました。
『G-UNIT』についてはコミックが発売中
ですし、現在ガンダムエース誌において新エピソードも連載中ですので、興味のある方は一読をお勧めします。
『新機動戦記ガンダムW』関連で言うなら、主役の5機のガンダムはHGACとしてすでにウイングガンダム、ガンダムサンドロック、ガンダムヘビーアームズ、後半の主人公機ウイングゼロが商品化。

HGAC 新機動戦記ガンダムW ガンダムサンドロック&モバイルアプリ プロダクトコードセット(仮) 1/144スケール 色分け済みプラモデル
- 発売日: 2019/09/14
- メディア: おもちゃ&ホビー
今年5月にはガンダムデスサイズも発売になります。
あとはシェンロンガンダムだけですが、これはすでに『ビルドダイバーズ』でバリエーションが発売になっているので近々かなぁ。プレバンではガンダムサンドロック改も発売されましたし、物語後半に出てきたそれぞれの強化型も発売が期待できるかも。
RGにてTV版のウイングガンダムが発売
されますし、まだまだ『ガンダムW』が熱いですね!
この曲は今でも好きなんだよなぁ。
新機動戦記ガンダムW 【OST】 思春期を殺した少年の翼/大谷幸
もちろん主題歌も。
さて、次のガンプラレビューはコチラ
になります。