HGUC Ζプラス「ユニコーンVer.」

「年頭ガンプラ始め」第2弾は『機動戦士ガンダムUC』の最終エピソードにて登場したMSZ-006A1「Ζプラス」です。

初出はモデルグラフックス誌の別冊「プロジェクトΖ」で、正式なデザインが公表されたのは同誌連載の『ガンダムセンチネル』、その後正式にガンダムシリーズに組み込まれ『ガンダムUC』にはゲストとして登場しました。ゲストの割に扱いが悪く、劇中ではあっちゅー間にロンド・ベル隊に制圧されてしまい、往年のセンチネラー達を「Ζプラスはあんなに弱くない!」と嘆かせたのは有名?なお話。つーか、使い方が悪いんだよねぇ、Ζプラスにアンブッシュさせるとか・・・。
さて、そうは言っても「UC効果」で念願のHGUC化を果たした事には違いはなく、それはそれで嬉しいので、制作の際には「シャイアン配備機ではなく、通常仕様のΖプラスにする」様、若干変更を加えてあります。

頭部のメインカメラとフェイスのカメラアイは印象最悪だった『UC』版ではなく、オリジナルの『ガンダムセンチネル』準拠に従ってガンダムマーカーを使ってブルーに塗装。FSU(フライト・サブ・ユニット。通常のシールドに相当)のセンサーユニットもブルーに塗装しています。やっぱりΖプラスのカメラは青じゃないと!あと、顎を少し削って小顔化しました。

付属のクリアシールを使ってデコレーションアップもしてあります。やはりΖプラスには「VMsAWrs」と「Zplus」のマークは欠かせません。「VMsAWrs」は「ウェイブライダーに変形するモビルスーツシリーズ」を意味し、ウェイブライダーに変形するTMSに与えられる総称でしたが、その後は「Zガンダム係累する全てのMS」を意味する総称へと変化しています。なので、変形してもウェイブライダーにならないSガンダムリゼルにもこの名称が与えられました。まあいかに「Ζガンダム」のブランドが凄まじかったかと言う事ですね。
 
Ζプラスの主武装は大腿部のムーバブルフレームに接続されたビームカノン。左右独立して操作可能で、全方位への攻撃を可能としています。また、ウェイブライダー形態に変形しても使用可能な為、飛行中の側面や斜め後方への射撃も可能。極めて有効だった事から、開発コード「イオタガンダム(正式化されてSガンダム)」にも採用されています。ビームライフルは初期生産型ではZガンダムビームライフルをベースに百式のエネルギーデバイスを組み込んだタイプが使用されていましたが、0096年代にはリゼルと同タイプのビームライフルに変更されていました。おそらく寿命中能力向上(MLU)の際に変更されたのでしょう。頭部には固定武装として60ミリ機関砲を装備。Ζガンダムに対して前後方向に頭部が長くなっているので、機関砲の装填数も増えている他、頭部内の容積が広がった為、サブオプションも装備も可能(初期生産型の内2機が火力強化テストの為、ZZガンダムと同じハイパー・メガカノンを装備したA2型に改修)になりました。頭部側面にはマウントラッチがあり、ミッション内容によっては機関砲ポッドを増設する事も可能。ただし、変形時にはスペースの問題から廃棄せざるを得ませんから、あまり得策ではないようです。ビームサーベルは大腿部のビームカノン内に収納されており、近接戦にも十分対応可能。その他、ウイングバインダーにマウントラッチがあるので、ミッションに応じて空対空ミサイルや空対地ミサイルなども装備できます。
 
ウェイブライダー形態。後述しますが、ΖプラスのA1型には宇宙空間での戦闘能力は無く、地球上の大気圏内での運用しか考慮していませんから、極超音速状態で有利なリフティングボディ形状は採用されず、通常飛行時に有効な可変後退翼が使われています。その為、Ζガンダムの様に「フライングアーマー」とは呼称されず、百式と同じ「ウイングバインダー」と呼ばれていますが、これはデルタガンダムでテストされていた物の方がΖガンダムのフライングアーマーより大気圏内では揚力を発生しやすく、巡行燃費も向上し構造も簡易化できる事から量産型であるΖプラスに採用されました。ウイングバインダーはMS形態でもAMBACの作動肢の一つとなる為、Zガンダムのフライングアーマーと比べてMS形態時の滑空中の機動性も向上した事から、Zガンダムでも極超音速飛行と亜音速飛行を両立させた「ウェイブシューター」と呼ばれるフライングアーマーがテストされています。
主翼は飛行機っぽく翼端灯と衝突防止灯みたいに塗ってみました。あと、Ζプラスのテールスタビライザーは水平にするのが正解。Ζガンダムと違って、推進システムは装備されておらず、そのスペースに電子機器や推進剤タンクを増設しているので推進力はありませんから。それに飛行制御システムの進歩から垂直尾翼が無くても機体は安定して飛行するようになってますし。実際、現実の世界においても西暦2040年代に実用化すると言われている「第6世代戦闘機」では殆どのメーカーがコンセプトイラストの機体に垂直尾翼を描いていません。

写真はノースロップ・グラマンが検討している第6世代戦闘機。横方向の安定性は垂直尾翼に替わって推力偏向ノズルと主翼スタビレーターの差動で行います。
なお、Ζプラスの初期生産型ではテールスタビライザーに後方警戒用センサーユニットがありましたが、この「UC」版ではオミットされているので、MLUの際に宇宙用のC型と部品の共用化が行われたと推察しました。
さて、Ζプラス誕生にはMSZ-006Ζガンダムの「成功と失敗」が強く影響を与えています。

アナハイム・エレクトロニクスの極秘計画「プロジェクトZ」の成果であるΖガンダムはTMSとしては破格の高性能を達成しましたが、一方で開発コストの高騰と2号機以降の納入を主契約者であるエゥーゴが渋った事から、開発費用の回収が不可能になっていました。主契約者であるエゥーゴの立場から見れば、開発遅延で組織最大の作戦であったジャブロー降下作戦に間に合わなかった事で、実戦配備された1号機の破格の高性能には満足し戦場の先頭に立つフラッグシップ機としての使い方は出来ても戦略的な使い方が無くなった(と思われた)点が大きく、膨大な開発コストに見合った機体とは見なされなくなったからです。一方、アナハイム側から見れば2号機以降の受領さらには量産型の発注がなければ開発コストの回収が不可能となり、いきなり経営危機に直面するのは火を見るより明らかでした。その時、アプローチしてきたのが地上で反地球連邦政府活動を行っていたカラバです。カラバは地球上に展開する反ティターンズ連邦軍部隊やジオン残党、難民として地球に流入した不法居住のスペースノイド達が結成した組織ですが、その活動拠点は転々としており、地球に展開するティターンズ部隊が掃討作戦を行えば簡単に制圧されてしまうことが必定でした。カラバはそういった拠点へスピーディに展開できるMSを切望しており、現状のSFSに頼ったMS運用に不満を持っていたのです。そんな時、ティターンズの拠点であるキリマンジャロ要塞攻略作戦を衛星軌道上から支援していた巡洋艦アーガマ」所属のZガンダムが戦闘中に大気圏落下コースに乗ってしまった味方機を救助するために、ウェイブライダーに変形して大気圏突入を行い、そのままカラバの作戦支援の参加した事が一つの「きっかけ」となりました。Zガンダムはそのままダカール制圧作戦にも参加、その「飛行可能なMSが持つ可能性」をカラバ首脳陣に強烈に印象付けます。カラバ首脳陣はZガンダムの量産化についてアナハイムに打診し、それに応える形でまずはΖガンダムの第3ロットの数機(いわゆるΖガンダム3号機シリーズ)がカラバに無償で供与されました。この機体は伝説のエースパイロット「アムロ・レイ」が搭乗し、大気圏内におけるデータ収集を兼ねた実戦テストを繰り返し「大気圏内専用量産型Zガンダム」開発に貢献する事になります。この開発はキャリホルニアのアナハイム地球支社が主体となって行われ、量産型の最終的仕様を決定しました。
1.大気圏内運用に不要な宇宙用装備の撤去
2.飛行性能を向上させる為に可変後退翼を装備したウイングバインダーに変更
3.熱核ロケットから熱核ジェットに推進系を変更
4.シールドを飛行用アビオニクスを装備したFSU(フライトサポートユニット)に変更
5.装甲材をワンランク落とす
6.ムーバブルフレームの簡易化による変形機構の簡素化とコストダウン
7.頭部構造を見直し、機関砲の装填数を増加、アビオニクスの増設
など、多くの点が変更されます。

ここまでコストダウンが行われてもやはり高価な機体である事は変わらず、この機体の採用は財政的ゆとりの少ないカラバにとっては一つの「賭け」でしたがカラバはこの機体のポテンシャルを信じて正式採用に踏み切りました。量産機はMSZ-006A1の型式と「Ζガンダムに続く者」という意味を込めて『Ζプラス』を命名され、最初に製造された20機がカラバ内に新設されたエースパイロット部隊「18TAFS」に集中配備となり、アムロ・レイを中心に急速に戦力化されます。この部隊は戦闘機操縦資格を持つMSパイロットを中心に編成する事で機種転換訓練を短縮している点が特徴(現実にもハリアーパイロットはジェット機の操縦資格とヘリコプターの操縦資格の両方を持っている)で、練成後直ちにカラバ空中艦隊の旗艦であるガルダ級「アウドムラ」に展開し各地の激戦区に投入され目覚ましい戦果を上げていきました。Ζプラスの最大の利点は「SFSなどのサポートユニットに頼らず単独で戦場に短時間で展開できる」事で、空中空母とも言うべきガルダ級の利点を活かしTMSの「場所を選ばない万能性」と「高い緊急展開能力」を立証します。
だから『UC』みたいなアンブッシュ的使い方はダメなんだよなぁ
18TFASはグリプス戦役後に勃発した第一次ネオ・ジオン抗争においてもカラバの主力として活躍し、ダカール奪還作戦における制空権の確立や連邦軍重要拠点に侵攻するネオ・ジオン部隊を撃退するなど「戦場の火消し役」として激闘を繰り広げます。
カラバの「賭け」は大成功となりました。
一方で、Ζプラスの目覚ましい戦果は宇宙のエゥーゴにも伝えられ、直ちにΖプラスの宇宙空間戦闘型の開発がアナハイムに打診されました。元々、Ζガンダムのムーバブルフレームは高度に頑丈な上、発展性も考慮して設計されていた事が幸いとなり、Zプラスの宇宙型の開発はスムーズに進み、宇宙用の「C1型」がロールアウトした前後にエゥーゴティターンズとの戦いに勝利します。その後、C1型とそのバリエーションはエゥーゴ主体で再編された連邦軍で活躍する事になりますが、それはまた別のお話。
目覚ましい戦果を挙げたΖプラスですが、一方でウェイブライダー時の空戦能力は決して高いとは言えない点がパイロットから不満として上がっていました。また、通常のMSからの機種転換訓練が難しく、シュミレーター以外に実機の訓練機も必要とされます。機種転換用の訓練機として複座のB型が早期に開発され、高いとは言えない空戦能力の強化にはより空中戦能力を強化したD型が開発され実戦配備されました。Zプラスは量産型TMSとしては破格の成功作となりましたが、それでも高い機体コスト、複雑な変形機構、操縦の難しさなどの問題が完全にクリアとなった訳ではなく「Ζの量産化」はその後もTMSの重要なテーマとなっていくのです。
Ζプラスは極めて高い性能と操縦の難しさから「真のパイロットでなければ乗りこなせない機体」とされ、そのパイロットに選ばれる事は一種のエリートである証明とされました。それゆえ「Ζ乗り」で編成された部隊は連邦軍でも「虎の子」とされ、地球上の重要拠点や衛星軌道上の地球軌道艦隊などに集中配備されています。その特殊性とハイスペックから後継機と呼べる程の機体は登場せず、長らく地球連邦軍MS部隊の「ハイ」の部分を担う事になりました。

Ζプラスについてはやはりこの本

ガンダム・センチネル

ガンダム・センチネル

ガンダム・センチネル―ALICEの懴悔

ガンダム・センチネル―ALICEの懴悔

に詳しく書かれているので、ぜひオススメ。また此方にもΖガンダム3号機」について詳細に書かれていますし、Ζプラスについてもその経緯を少しだけ紹介されているのでオススメ。
キットは先発のデルタプラスをベースに組みやすく作られており、組み立てにストレスはほとんど感じません。変形機構もデルタプラスと同じ差し替え式。でもここが少し不満と言えば不満。やはり僕らセンチネラーにとっては「伝説的」とも言うべき旧キット
1/144 ガンダムセンチネル ゼータプラス

1/144 ガンダムセンチネル ゼータプラス

が胴体の一部取り外し以外は完全変形をしていただけに、少し残念と言えば残念な内容。また、大腿部のロール軸がデルタプラスと同じ股関節のボールジョイントってのも「う〜ん」なトコロ。Ζプラスのロール軸は大腿部と膝の間にあるんだけどなぁ。その辺りは近いうちに発売になる『ガンダムFIXフィギュレーション』のΖプラスがようやく設定通りの変形をしそうなので、今から楽しみ。
一応、プレバン限定発売のC1型も2個買ってあって色々妄想中ですが、それはギャンがちゃんと出来てからかな。
ともかくも、大好きなMSですので、バリエーションが出れば全てゲットすると思います(^^;;